初期研修医

向原 沙紀 (社会医療法人 神鋼記念会 神鋼記念病院)
向原沙紀 向原 沙紀
社会医療法人 神鋼記念会 神鋼記念病院
平成29年9月4日~平成29年9月29日
(平戸市民病院)

 私は9月4日から29日までの4週間、平戸市民病院で研修させていただきました。
 地域医療と言えば訪問診療に出かけたり、患者さんとの距離が近かったり、専門分野だけではなく幅広い疾患について診療したりというイメージがありました。実際にこの平戸研修では、訪問診療や訪問看護、訪問リハビリに加え、毎朝の健診、乳児健診なども経験させていただきました。さらにマムシ咬傷のような神戸では出会わないような疾患もたくさん経験させていただき、とても勉強になりました。でも何よりこの研修中に感じたのは、自分が普段当たり前だと思っていた医療が当たり前ではなかったということです。神鋼記念病院では当たり前のようにオーダーしていた検査も、一旦立ち止まって本当に必要な検査か、その前に行うべきことはないか考えるようになりました。検査結果に頼りがちになっていたことを反省し、身体所見を勉強し直すきっかけとなりました。理解した気になっていたことが浮き彫りとなり、今後専門分野に進んでいく上でもっと勉強したいと強く思い直すことができました。平戸で出会った人々から良い刺激をたくさん受けることができたことは、今後の私の医師人生においてかけがえのない経験となりました。
 普段と大きく異なる環境で戸惑うこともありましたが、私がこのように充実した地域研修を受けることができたのは周囲の方々の支えがあってこそだと思います。困ったときに優しく指導してくださった先生方、いつも指示を快く受けてくださり、また母のような愛情で支えてくださったスタッフの皆様、笑顔で挨拶してくださった患者さんたち、そしてこの4週間ずっと一緒にいた同期たち。平戸で出会った全ての人々に感謝して、立派な医師になることができるよう精進していきたいと思います。4週間本当にありがとうございました。