初期研修医

宮本 麻美 (横浜市立市民病院)
宮本麻美 宮本 麻美
横浜市立市民病院
平成28年2月1日~平成28年2月26日
(平戸市民病院)

 平戸市民病院での研修は、初めて他病院で働くため多くの不安を抱きながら始まった研修でした。研修前へき地医療に対しての知識は浅く、患者層の多くは高齢者で、医療資源が限られている現場など漠然とした思いしかありませんでした。今回1ヶ月と短い間でしたが超高齢社会である平戸のへき地医療の実態を経験させていただき、特に印象的だったのは訪問診療・看護・リハビリ、通所リハビリ、ケアマネ訪問など病院内だけでなく病院外の研修でした。人口の30%以上が高齢者の平戸では治療対象の多くが高齢者で、患者本人が病態や置かれている状況をしっかり把握できていませんでした。そのため自分自身ではリハビリが上手く出来なかったり、内服のコンプライアンスが悪かったり、自分の病状を訴えることが困難など、自分自身で自分を把握できていない方々を多く診ました。患者の自宅を訪問することで、ご家族が協力的であるか、家の造りがバリアフリーになっているかの確認やご家族にもご本人へのリハビリ指導ができます。このように患者の普段の生活環境を理解した上で治療することが重要であることを知りました。また押淵先生からの講義で高齢者を治療が必要な状態になる前に元気老人を創出していくことが重要という話はとても関心をいだきました。そのために健診や出前講座などの研修では予防医学を積極的に行うことが大切であることを学びました。
 このように多くの初体験をさせていただいた今回の研修で、へき地医療の実態を目で見て理解することができました。自分のいる環境と真逆の医療現場を経験することで医師としての自分の立場や医療に対する視野が広がり、高齢者やコメディカルの方々とのコミュニケーション能力が養われました。
今後、この経験を活かしたいと思っています。
 他施設から来た研修医や観光に連れて行ってくださる病院スタッフにも恵まれ、とても充実した1ヶ月間を過ごせました。
 地域医療研修にあたり指導してくださった先生、病院スタッフの方々、平戸の皆さんに大変お世話になり、心から感謝しております。ありがとうございました。