初期研修医

河岡 孝征 (独立行政法人 労働者健康安全機構 大阪労災病院)
河岡孝征 河岡 孝征
独立行政法人 労働者健康安全機構 大阪労災病院
平成29年4月3日~平成29年4月28日
(平戸市民病院)

 2017年4月3日、平戸の花粉とPM2.5?のアレルギーに苦しむ中、地域研修がスタートしました。大阪・堺から600㎞離れた、全く環境の異なる平戸の地での勤務に当初は不安を感じていました。それでも先生方、コメディカルの方々、度島さんを始めとするスタッフの方々が親切に指導、フォローしてくださり、充実した一か月を過ごすことができました。同期の研修医2人と一緒に仕事をできたのも、いい刺激になりました。
 平戸では、大阪では経験できないことを数多く経験しました。外来では、様々な訴えの患者さんがやってきました。都会の病院では診療科が細かく分けられていますが、地域の病院では自分の専門以外の症例を担当することも多くあります。常勤の整形外科医がいないため、転倒した患者さんのレントゲンを見て、骨折があるのか内科の先生と悩んだのが印象的でした。来年度から新内科専門医制度が始まりますが、ジェネラルな診療能力の大切さを改めて実感しました。
 訪問診療、訪問看護、訪問リハ、検診、離島研修にも同行させていただきました。私が都会の急性期病院で1年間やってきた医療は、医療のほんの一部でしかないことを思い知らされました。限られた資源、時間の中で、医療・保健・福祉・介護が連携して疾病の予防、急性期から慢性期の管理、看取りまで行う。その地域包括ケアシステムを世界に先駆けて取り入れた平戸。今後も日本全国で高齢化は進み、地域包括ケアの重要性はますます増してくるでしょう。地域医療の最先端を進んでいる平戸で研修できたことは、今後医師を続けていく上での大きな財産になることを確信しています。
 最後になりますが、一か月間貴重な経験をさせていただいた平戸市民病院に関わる全ての方々に厚く御礼を申し上げます。