初期研修医

笠原 大海 (医療法人社団協友会 彩の国東大宮メディカルセンター)
笠原大海 笠原 大海
医療法人社団協友会 彩の国東大宮メディカルセンター
 平成29年1月4日~平成29年1月27日
(平戸市民病院)

 今回の地域医療研修を通じて、地域医療に対する考え方が大きく変わりました。研修に来させていただく前の地域医療のイメージは、家庭医として患者さんを包括的に診療する、一通りの科の診療が行える必要がある、広く浅くのどっちつかずの医療技術しか養えないといった否定的な考えがありました。もちろん研修を終えるに当たりそのイメージの全てが払拭できたわけではありませんが、一番大きく変わったものとして、家庭医や総合診療医はどの科も診れるようになるために、どっちつかずの医療者になる必要があるという考え方が一新されました。確かに家庭医や総合診療医は、どの科の診療も行う必要があり、広い知識や技術が必要とされますが、他のどの科にもない観察眼や患者さんの家族やADLや経済的余裕や価値観(考え方)といった社会的背景に基づいた対応を求められます。その思慮深い対応は各科の表面上の知識や技術の寄せ集めなどでは決してなく、家庭医や総合診療医は専門的な思考や技術をもつ立派な専門医であるという考えに至りました。
 今の時点で私は小児科医として今後も後期研修を修めていく考えですが、この研修を通じて学んだ、患者さんの社会背景にまで思慮を伸ばして、そこを配慮した医療を行っていけるように精進していきます。