初期研修医

石野 貴雅 (独立行政法人 労働者健康安全機構 横浜労災病院)
石野貴雅 石野 貴雅
独立行政法人 労働者健康安全機構 横浜労災病院
平成29年9月4日~平成29年9月29日
(平戸市民病院)

 新専門医制度で自分も周囲も揺れ動く最中、期待と不安に入り混じった感情を胸に横浜を離れ平戸へ。福岡県出身で曾祖母も生前佐世保におりましたが、平戸まで来たのは初めてのことでした。平戸桟橋で90分待った後に40分バスに乗って平戸市民病院へ。周囲を走って散策してみたのですが、「ここでやっていけるんだろうか…」とすら思って前夜を過ごしていました。
 そして迎えた研修初日。先生方のみならず、多職種のスタッフや患者さんまでもがまるでこれまでもいたかのように笑顔で接して下さいました。そんなアットホームな環境で日常診療は勿論のこと、訪問診療・看護やリハビリ研修等、普段の環境ではではなかなか見えないことも多く経験することが出来ました。
 未熟で至らぬ点も多々あるなりに、研修生活ではGeneral mind豊かな医師の土台を築くことを目標に日々過ごしてきました。足りない頭を足でカバーしながら患者さんを診て、自分なりにプロブレムを挙げて介入していく。それが患者さんの為にもなり、巡り巡って自分の研鑽にも繋がるのではないかと信じて過ごしてきました。しかし、訪問等を通じて「生の患者背景」に触れた際にはある種の衝撃を受けました。まだまだ患者さんについて知らないことが多すぎる現状に気付きました。同時に今後もっと「人を診る」ようにしようと。新たな伸びしろも見つけられたように感じ、これからが楽しみになりました。
 今回の平戸研修で得たものはこうした貴重な経験だけではありません。上述したスタッフのみならず、母のように研修のお世話をしてくださった事務の度島さんにも本当に感謝しています。そして何より、今回の研修ではかけがえのない同期に恵まれました。平戸で共に経験したこと、業後の食事や多岐に渡る話、毎週末の旅行…共に過ごせたことは何にも変えられない財産だと思っています。本当にありがとうございました。