初期研修医

池田 周平 (独立行政法人 国立病院機構 京都医療センター)
池田周平 池田 周平
独立行政法人 国立病院機構 京都医療センター
 平成29年1月30日~平成29年2月24日
(平戸市民病院)

 長崎空港からバスを乗り継ぎ4時間半。やっとの思いで平戸市民病院に到着した際の、無事に到着できたことに対する安堵と、これから始まる1ヶ月間に対する大きな不安が入り混じった、なんとも言えない複雑な感情を今でも鮮明に覚えています。これだけはっきりとその時のことが印象に残っているのは、その時の感情があまりにも特異なものであったためか、平戸で過ごす1ヶ月があまりにもあっという間に過ぎ去っていたためかは定かではありません。
 この1ヶ月、普段研修している自施設では到底経験できない数多くのことを学ばせていただきました。訪問診療のこと、予防医学のこと、介護保険のこと、そして地域住民との「触れあい」のこと。医師国家試験に合格し、研修医としてのスタートを切ると同時に、めっきり関わり合うことが少なくなったそれらの事柄に、本当に密に関わらせていただいた1ヶ月であったと思います。いずれ確実に訪れるとされており、現在すでにその片鱗が見えつつある、高齢社会、超高齢社会。全国より一足先にそれを予見し、対策をとってきた平戸市。そういった環境で医療をすることになる我々にとって、平戸市でおこなわれてきた医療体制は、今後のロールモデルになることは必至であり、実際にその中で研修させていただいた経験は、医療者としての財産になると確信しております。この1ヶ月で学んだこと、考えさせられたことを忘れることなく、今後の自施設での研修に精進してまいりたいと思います。
 最後になりますが、私たちの地域研修が実り多いものになるようご尽力いただきました平戸市民病院のスタッフの方々、長崎大学病院 へき地病院再生支援・教育機構の方々に、この場をお借りしまして厚く御礼申し上げます。